© Kohei Uemura
「 ふるん ふるん ふるん。
だれだね、てぶくろにすんでいるのは ? 」
「 くいしんぼうねずみと ぴょんぴょんがえると はやあしうさぎと おしゃれぎつねと はいいろおおかみ。 あなたは ? 」
「 きばもちいのししだよ わたしも いれてくれ 」
『てぶくろ』の絵本の中の動物たちは、おじいさんの落とした手袋に、板を渡して、梯子をかけて、窓を空け、煙突をたてて、次々と集まってきます。
まるで、片っぽの手袋が、どこまでもどこまでも広がっていくように。
そんな、魔法のてぶくろの様なお部屋を、つくりたいと思いました。
お子様達の独立・結婚・出産を経て、今はご夫婦おふたりで住まわれているご自宅2階の、子供部屋2部屋を繋げて、お孫さんやお友達が気軽に集まれるリビングをつくりたいというご依頼です。
部屋の間にあった壁を取り除き、ロフトを繋げ、梁の下・窓の高さに集成板を挿入して、窓も天井も新たに切り抜かれた様にみせることで、内にも外にもつながっていくような広がりを感じる空間にしました。
ロフトの立ち上りを下げて手摺とネットを付けることで、広がりをつくると同時に子供達が安心して遊べる様にしています。
収納の片方をパントリーとして、小さなキッチンを置き、ささやかな晩餐も行える様になっています。
これから、たくさんの楽しい時間を詰め込んでいってもらえたら嬉しいです。
Cf. 『てぶくろ ウクライナ民謡』福音館書店 エウゲニー・M・ラチョフ 絵 うちだ りさこ 訳
©️ Daiju Kamizawa
©️ Kohei Uemura